ソフトテニスの不祥事案件に対する不利益処分の妥当性に関する事例検討
一般演題(ポスター発表) P-01
○高橋憲司(愛知学泉大学) 篠原秀典(日本体育大学) 山口大地(日本体育大学)
背景
20XX 年、大学生対象の大会にて、未成年の男子 A 選手が喫煙指定場所以外での喫煙が発覚し、A 選手とペア、および A 選手所属の B 大学男子チーム全員が個人戦の出場資格をはく奪された。連帯責任処分に対しては賛否両論がある。目的
本研究は、スポーツ法を含めた関連法の法解釈、および判例を踏まえ、本事例の連帯責任処分の妥当性を検討する。
方法
当時、B 大学男子チーム主将の C 氏、およびコーチの D 氏に処分手続き等を取材した上で、関連法と判例に照らし合わせ、我々が処分の妥当性について検討した。
結果
スポーツ団体の懲戒処分手続きの要件に「①裁定委員会の構成②規則に基づくこと③手続きの公正④告知・聴聞の機会⑤代理人をたてる権利⑥聴聞の手続⑦上訴手続き」がある。本事例は、この内①②③④⑥⑦の要件が欠けていると判断できる。
結論
以上より、本事例の連帯責任処分は手続きに瑕疵があり、日本スポーツ仲裁機構に仲裁申し立てをした場合「処分の取り消し」の判断を受けることが示唆される。本件も含め連帯責任処分は、アスリートのスポーツ権を不当に奪う場合もあるため、慎重に、公正な手続きに則り行うべきである。